住まい・不動産

マンション現役販売員が明かす「短所を隠す」販売テク

本当にそのマンションで大丈夫?(イメージ)

 多くの人にとって、人生でもっとも高い買い物といえば「住まい」。買う方は、ハズレを引かないように必死になって物件をチェックするが、やはり“その道のプロ”である売り手にはどうしてもかなわない。大手不動産デベロッパーの中堅社員・Yさん(40代)が、マンション販売のテクニックについて明かしてくれた。

「まず、これは基本中の基本ですが、販売員は良いことばかり言っている、と思って間違いないでしょう。目の前にビルがあって、1日に1時間しか日が当たらなくても、『天気の良い日は日が当たって気持ち良いです』と言いますし、よっぽど天気が良くないと見えなくても、『富士山も見えますよ』と言うものです。

 交通の利便性をアピールする時は、1日に数本しか該当する電車がなくても、『通勤快速なら○○まで37分です』とか、『乗換なしで××まで行けます』など、“もっとも運が良かった時”の条件で説明します」(Yさん、以下同)

 売りたいもののメリットを強調するのは当たり前だが、同時にデメリットを隠すのも彼らの仕事だ。

「自分たちに不都合なことに関しては、聞かれない限り言わないのが鉄則。例えば、渋谷や新宿など、ターミナル駅近辺の物件は、『駅歩○分』と言っても、実際には人が多くてその時間では絶対にたどり着きません。けれども駅から何分かかるか聞かれた場合、公正競争規約として定められた『80mで1分』として換算した数字を伝えます。

 また近隣の施設に関する情報を伝えないこともあります。私が携わった物件では、公営ギャンブルの場外発売所、ゴミ焼却所、バス会社の車庫、ゴミ屋敷などの存在を伝えなかったことがあります。要するに聞かれれば正直に答えますが、聞かれなければ“余計なこと”は言わないスタンスです」

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