しかし、その後も高額課金や返金騒動が後を絶たない。2014年にはスクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストモンスターズスーパーライト』やコロプラの『魔法使いと黒猫のウィズ』などで、「ガチャの当せん確率が低すぎる」として返金を求める声が続出。
2016年1月にも、サイゲームスの『グランブルーファンタジー』が、当せん確率アップをうたったのに、数十万円かけても当たらない利用者が相次ぎ、批判の的となった。2017年12月にはスクウェア・エニックスの『星のドラゴンクエスト』でも、当せん確率の説明文を巡り、集団訴訟に発展している。
現在、業界全体で当せん確率を表示する動きが広がっているが、その数字が正確か確かめる方法はなく、利用者の不信感は拭えていない。
ゲーム業界は、ガイドライン策定やガチャの当せん確率を明記するなど整備を進めているが、過度な課金者は増え続けているのが現状だ。あるソシャゲ会社の開発者が話す。
「ソシャゲはネットを介しているため、何百万円も課金する“上客”はすぐに特定できます。そうしたヘビーユーザーからいかにお金をしぼり取り続けるか、開発陣は日夜考えているものです。業界全体に“飽きられる前に売れ”という拝金主義的な文化があるのは否めません」
最も深刻なのは、子供たちに与える影響だ。『ネトゲ廃女』(リーダーズノート)の著者で、ノンフィクションライターの石川結貴さんが指摘する。
「ゲームの邪魔になるからと、子供を親に預けっぱなしにしたり、子育てを一切せず育児放棄する母親がいます。また、夫婦揃ってゲームにハマり、1才の子供にタブレットを渡して遊ばせているケースもある。
でも、アイコンタクトもなく、ボディータッチもない環境で育った子供が、将来どんな大人になるのでしょうか。今は問題が顕在化していなくても、10年、20年後に大変な事件に発展する可能性もあります。その時に対処しても手遅れなのではないかと危惧する専門家は多いです」
※女性セブン2018年6月7日号