【1】大病院より診療所へ
国が在宅医療やかかりつけ医の充実を推進しているということは、大病院に行くよりも、近くの診療所に行く方がお得ということ。前出の早川氏が言う。
「大病院で診察を受けると、通常の診察代に加えて初診時は5000円以上、再診時にも2500円以上の『選定療養費』が請求されます。これには保険が適用されないため、全額自己負担しなければなりません」
とくに今回の改定では、『大病院』の定義が『ベッド数500床以上』から『400床以上』に変更されたため、注意が必要。これまでかかりつけにしていた病院が『大病院』になり、『選定療養費』を請求されるようになる可能性もある。急病や大病でない限りは、ベッド数を確認してから病院に行くべし。
【2】かかりつけの病院をつくる
また、今回の改定では初めて受診した時にかかる「初診料」が3割負担(※医療費の自己負担額は70才未満の場合、3割)で240円上乗せされることになった。
「つまり、毎回病院を変えてしまえばそれだけお金がかかる。かかりつけの病院や診療所をつくり、初診料の負担を減らしましょう」(水氏)
【3】大病院へは必ず紹介状を持参する
新制度に伴う変更点は大病院や初診料に関する範囲のみだが、それ以外にも医療費を浮かせる裏ワザは多数ある。
かかりつけの小さな病院がお得とはいえ、精密な検査を受けたりセカンドオピニオンを求めたりするために、大病院を受診しなければならないこともあるだろう。その際は、かかりつけの医師に紹介状を書いてもらうのが鉄則だ。
「紹介状があれば、大病院であっても『選定療養費』はかからない。紹介状を書いてもらうと、『診療情報提供料(I)』と呼ばれる料金がかかりますが、健康保険が適用されるので、3割負担の場合で750円。選定療養費に比べれば、ずっと負担が少なくなります」(早川氏)