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ビジネス

リーマンショック前と酷似? 世界経済3つの「不気味なサイン」

【2】高金利なのに原油高

 好況時に変動する数値が「正反対」の動きを見せているのも不気味だ。景気が上向きであることを示す材料として「金利上昇」がある。

 借金をしてでも投資や消費に回したいというムードがあれば、当然、金利は上昇する。米国の長期金利(10年債)が5月17日に3.11%という8年ぶりの高水準を記録した。金利上昇局面では原油価格が下がるのがセオリーだ。

「原油はドル建て取引のため、米国金利が上がれば買い控えに働く」(真壁昭夫・法政大学大学院教授)という理由だが、そのセオリーに反して原油価格(WTI先物)は1バレル=70ドルを上回る高値圏にある。

 リーマンショック前夜も同じ状況があった。前年(2007年)に50ドル台だった原油価格は2008年夏に147ドル台の史上最高値を記録。この時期も米金利は4%に迫る高水準だった。金利と原油の「シーソー」は、なぜ壊れたのか。

「商品先物市場が心配しているのは地政学的リスク。トランプ米大統領が打ち出している経済制裁により、イランやベネズエラといった産油国の輸出が制限されるかもしれないという不安感が強まっている」(真壁氏)

 リーマンショック前も、中東ではイスラエルとイスラム諸国の対立が激しさを増しており、中東産原油供給の不透明感が漂っていた。投資家たちは今また、産油国が関わる緊張に注視している。

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