アメリカンフットボール部の悪質タックルを巡る大騒動に揺れる日本大学を一言で言い表わすなら、「とにかく大きい」だ。日大には16の学部があり、偏差値でいうと上は67.5(医学部)から37.5(工学部)まで幅広い。
「あなたとともに100万人の仲間とともに」──。公式HPのキャッチフレーズで謳うように、日大が誇るのは「100万人」もの卒業生の“数”だ。
1889年に設立された前身の日本法律学校から127年にわたり輩出した卒業生総数は正確には116万人に上る。その規模を日大は「日本一の校友ネットワーク」と強調する。
現役の学生数もずば抜けて多く6万7933人(通信教育部・短期大学部を含めると7万8379人)と全国1位。建物校舎の延べ面積も東京ドーム36個分に相当する1.69平方キロで1位。図書館の蔵書数は570万冊超で「私大1位」である。
学生を確保する裾野を全国に広げているのも日大の特徴で、付属校の数がそれを象徴する。1930年に設立された日本大学高校・中学(神奈川・横浜)を始め、甲子園常連の日大三高(東京・町田)や長崎日大(長崎・諫早)など25校を数える。
「入学者に占める内部進学の割合は26%で東海大、創価大に次ぐ3位。人数で見ると約4000人で1位となります。ただし、伸び悩んでいるのが一般入試の志願者数です。1990年代は日大が日本一でしたが、1999年には早稲田大に抜かれ、さらに直近の首位は近畿大(日大は4位)。偏差値や学部構成は似ているので、PRの実力差が出たかたちです」(教育ジャーナリスト・小林哲夫氏)