大学の名を売ることにつながるのが体育会運動部で、日大が力を入れているのは間違いないが、“PR”ということではかつてほどの輝きが見えないのも事実だ。
今回不祥事を起こしたアメフト部は大学日本一を決める甲子園ボウルで優勝21回の強豪。田中英壽理事長が総監督を務める相撲部は、過去には輪島や琴光喜、最近では新小結の遠藤を出した名門だが、一方、総合優勝12回の箱根駅伝は昨季、予選会で敗退し、本戦出場を逃すなど、苦しい戦いを強いられている部も少なくない。
それでも、内部進学組に支えられた学生数の多さもあって私学助成金(2017年度)は早稲田大に次ぐ2位(91億円)を維持する。
ただ、巨大すぎるからなのか、全体としての“結束”がどこまで強いのか、わからないところもある。別掲図の通り各学部は“バラバラ”に点在している。同じマンモス大学でも東海大なら湘南、近畿大なら東大阪と“本拠地”があるが、「日大といえばこのキャンパス」という場所はない。
象徴的なのは「日大」という文字が入ったバス停の多さ。商学部や法学部のキャンパス付近の「日大前」の停留所をはじめ、編集部が数えただけでも全国に34個も「日大」のつくバス停があった。
※週刊ポスト2018年6月8日号