悪質タックルをめぐる騒動はアメフト部の歪んだ指導体制だけに起因するものではなく、「日大イズム」の産物なのか──。日本最大の最高学府である日大の「数の力」として知られているのが“社長の出身大学トップ”というデータだ。
東京商工リサーチが昨年10月に公表した「全国社長の出身大学」調査によると、1位は日大で、2万2135人の社長を輩出している。2位の慶応義塾大学は1万890人、3位の早稲田大学は1万771人で、いずれも日大とは“ダブルスコア”の開きがある。ただし、“基準”を変えると順位は下がる。
「同年のデータで『東証1部上場企業』に限ってみると、1位は慶応義塾大学(180人)、2位は東京大学(152人)、3位は早稲田大学(123人)で日大は8位(42人)になります」(東京商工リサーチ情報部)
財界学閥としては、多くの有名社長を輩出する慶応義塾大学の「三田会」が知られている。OBの数は36万人と日大に及ばないが、結束力は絶大で、時にトップの人事や企業再編にまで影響力を発揮する。
対する日大にもOB組織があり、その名を「桜門会」という。2010年には東京都千代田区五番町に地上4階建ての日本大学桜門会館が開館している。
「全国に65都道府県支部、18学部別部会、職域別4部会があり、海外支部もある。毎年、東京ドームホテルで開催する『全国校友大会』には700~800人が参加します。社長が集まる校友会公認の会もあり、構成人数は現在100人ほどです」(日大校友会本部事務局)