数では上回る「桜門会」には、三田会を凌ぐようなビジネスチャンスが潜んでいるのか。「桜門社長会」幹部の日大OB社長はこう話す。
「横のつながりが広がるという意味では大変有意義な組織だと思っています。とはいえ、桜門社長会のつながりから大企業同士の大きな商談が進んだというような話は聞いたことがありません。少なくとも私は、得したことといえば先輩に銀座のクラブに連れて行ってもらったことくらい(笑い)」
ネットワークは広いが、財界へのインパクトは限定的なようだ。その傾向は政界でも同様。日大OBで政治ジャーナリストの角谷浩一氏はいう。
「日大出身の政治家の中には、内閣官房長官を務めた梶山静六氏のような有力者もいました。1982年には、卒業生の河本敏夫・元郵政大臣が自民党総裁選の予備選に出馬。日大出身者初の首相誕生を目指してOBが“オール日大パワー”を結集しようと盛り上がりましたが、中曽根氏に敗れた。中間層出身者が多いせいか、強い個性やカリスマ性を備えた政治家があまり見当たらないのが特徴です」
※週刊ポスト2018年6月8日号