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キャリア

「強力なコネ」列伝 面接を終えた学生がエレベーターで「上」に向かった訳

Mさんの就職活動で発揮された「強力なコネ」とは?(イメージ)

 6月1日、就職活動が解禁。2018年3月卒業の大学生は就職率が高く、“売り手市場”は今年度も続く見込みだが、人気上位企業への就職が難しいことには変わりがない。しかし世の中には、誰もが憧れる会社に“コネ”で簡単に入ってしまう人もいるのが現実だ。強烈なコネによりって某マスコミ系企業に就職した女性のエピソードを紹介する。

 都内私大卒のMさん(30代女性)は、マジメな上に成績も良い優等生だったが、その年はいわゆる氷河期。専攻が就職に弱いと言われる教育学部だったため、就職活動では苦労することが目に見えていたが、Mさんの父親が医師だったことで、就職活動は思わぬ展開を見せた。大手マスコミ企業・X社の会長を務める人物が倒れ、父親が働く総合病院に緊急入院。会長の主治医が偶然海外に行っていたため、父親が代わりに治療に当たったのだ。

 父親の尽力で会長は一命をとりとめ、感謝することしきり。その後も長らく入院生活を続けた会長と親しくなり、雑談の中で娘が就職活動で苦労していると話すと、会長から「ウチで良ければ」という申し出があったという。父親は固辞したものの、「一度娘さんに聞いてみて下さい」と言われれば、もう断る理由はなかった。Mさんが振り返る。

「書類選考さえ通らないような日が続いていたある日、父が『X社に行く気はないか?』と言うんです。○○は超人気企業なので、私が『入れるものなら入りたいわ』と言うと、数日後に父親から『○月○日にX社に行け』と言われました。父に経緯を聞きましたが、私は父にそんな力があるとは思わなかったので、半信半疑でX社に向かいました」(以下「」内はMさん)

 念のために就職課で過去の就職実績を見ると、Mさんの大学からは過去数年間、1人もその会社に入っていなかった。「期待より不安しかなかった」というMさん。先方から指定された日に会社に行き、他の学生とともに面接を受けたものの、どうやら面接官にはMさんの素性は知らされていなかったようで、面談終了後にちょっとした“事件”が起こったという。

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