「太っ腹株主優待」が営業利益を圧迫?
2017年12月期のすかいらーくの通期決算をみると、売上高はプラスだが営業利益は優待拡充前の前年度を下回っている。同社は減益要因のひとつとして株主優待の拡充をあげており、「太っ腹優待」が利益を圧迫している面は否定できない。ベインキャピタルも2017年11月までに保有株を全売却しており、前出の個人投資家のように「いつ優待改悪が発表されてもおかしくない」と戦々恐々としている株主は少なくなかったようだ。
今回発表された優待変更は、これまで1枚500円の優待券を束にして送付していたのをカード化するというもので、優待券の額に変更はない。たとえば、500株保有する株主には年間66枚もの優待券が届けられていたのが、変更後は3000円のカードが9枚、1000円のカードが6枚に変更となる。株主にとっては持ち運びやすくなるうえ、従来は1枚1枚レジでバーコードを読み取っていて会計に時間がかかっていたのが、解消されると考えられる。
ただし、変更後の優待カードは宅配では使用不可になることに注意したい。同社にその理由を問い合わせたところ「優待カードでの会計には専用端末が必要になり、現状では対応できないため」との回答だった。使い道を狭める意図はないようだが、宅配で利用していた株主は注意したい。
この仕様変更の発表で、ツイッターでは「これで当面、改悪はなさそう」などと安心する声も多く投稿されていた。次の権利確定が6月末に迫っていることもあって発表後の株価はじわじわ上昇しており、安心して買い始めた投資家も多いのかもしれない。ちなみに同社IRは「現時点で優待内容変更の予定はございません」と話している。