欧米では、ほとんどの学校で「お金教育」のカリキュラムが組まれているが、日本ではまれだ。だからこそ、家庭で親がどう教えるかが重要になる。とはいえ、何をいつ教えるかを間違うと逆効果にもなるから注意したい。
健全な金銭感覚を育てるために
「お金教育」というと、お金もうけの上手な人を育てるというイメージが強いかもしれないが、そうではない。お金の管理の仕方をはじめ、働くことの大切さや、目的を達成するためにどう資金を作るかなどが要となる。
「今や、スマホの課金や、電子マネーなど、“見えないお金”が、子供たちにとって身近になり、お金の仕組みは私たちが子供だった時よりも複雑です。お金とは何か、どう使うか、基本的なところから教えないと、健全な金銭感覚は育ちにくくなっています」とは、ファイナンシャルプランナーの八木陽子さんだ。
では、何をどう教えたらいいのか。年代ごとに教えるべきことを具体的に見ていきたい。
【就業前】
この時期は、おもちゃを与えすぎず、物を大切にする心を養うことがポイントに。
具体的には、3才で生き物と触れ合わせ、お金で買えない物があることを教える。4才からは、買い物ごっこなどで、お金と物を交換し、人の物と自分の物の区別を理解させる。さらに、おつかいなどの本物の買い物をさせるといいという。また、友達と同じ物が欲しいと駄々をこねても、がまんさせることを教えよう。