ファッション通販サイト「fifth」は2013年の開設から約4年で会員数を50万人に伸ばした。そこから1年半経った現在の会員数は89万人。たった1年半で39万人もの会員数を増やした理由は「インフルエンサーマーケティング」という聞き慣れない広告手法にあるという。
サイト開設当時に流行していたのはブログ。しかし、悪質なステルスマーケティングなどが問題になり、影響力は下降していく。SNSでのPRでは「PRであることを明記」したり、「企業から商品を提供してもらっている」ということなどを記したうえ宣伝広告するなどルールも整備されるなか、台頭してきたのがインスタグラムだ。代表取締役社長の江島晋一さんが言う。
「インスタグラムを活用したマーケティングを始めたのがちょうど1年半ほど前のことです。数千から数万のフォロワーを持つインスタグラマーに商品写真を投稿してもらい、多くの人の目に触れるようにしています。ファッション関連の投稿をしている、1万人以上のフォロワーがいる、特に女性のフォロワーさんが多いかたなどを対象に声をかけさせてもらっています。ギャラをお支払いしてその金額内で好きな商品を購入していただくこともあれば、商品をお渡しすることもありますし、全くご自身で負担してもらって投稿してくれる人もいます。
こちらからお願いしているのは、投稿の日時のみ。商品についての指定はないので、そこは本当にそれぞれのかたが気に入っているお洋服を紹介してくれているということです」
インフルエンサーマーケティングで重要なことは、より多くの人の目に触れること。例えば400万人のフォロワーがいる芸能人1人に依頼するよりも、1万人のフォロワーがいる人400人に投稿してもらう方が効果が見込めるという。
「テレビCMって7回見て初めて認知されるというデータがあるんですが、インフルエンサーマーケティングでも、“この人も”“あの人も”といろんなところで何度も目にすることが認知度拡大、購買につながると思っています。テレビでCMを流しても見るのは女性だけではありません。多少なりともコストを無駄遣いしてしまいます」(同前)