持ち家が「資産価値」を持つ点も長い老後を考える上では見逃せないという。
「この先、妻に先立たれたり、老人ホームや施設へ転居する事態も起こり得ます。そうした時に持ち家を売却してお金をつくれることの意味は大きいです」
主だった資産が持ち家だけの場合でも、自宅を担保にして金融機関から融資を受け、死亡時に自宅を売却することで借入金を返済する「リバースモーゲージ」を利用すれば、まとまった老後資金を手に入れられる。
「融資金額は自宅の評価額から算出され、50~70%となることが多い。ただし、資産価値が下がるなどして自宅売却時に返済額が足りないと、子供などが債務を引き継ぐことがあるので注意が必要です」
単純なコスト試算では現われない持ち家のメリットに“選択肢が増やせる”というポイントがあるのだ。
※週刊ポスト2018年6月22日号