もう1人、古市さんにとっての“師匠”は、最高顧問である平松庚三・ライブドアホールディングス前代表取締役社長だ。
「以前から尊敬していたので、思い切ってフェイスブックのダイレクトメールに面会のお願いを出してみたら会ってもらえました」(古市さん)
数か月ごとに事業内容を報告すると、平松さんから次の課題としてA4の紙がびっしり埋め尽くされるほどの「ダメ出し」を受けた。それをブラッシュアップしてまた報告する。柔道の乱取りを思わせる師弟の真剣勝負である。
平松さんには「格好つけてパソコンばっかり使うな。暗算しろ」と言われた。
「パソコンはあくまでツールの1つだから、きちんと本質と向き合えという意味だととらえました」(古市さん)
わずか2年でひと月の稼働受注件数が4倍に
経済界の大御所との出会いを経て、組織として磨かれた。価格設定や仕事内容の整理、担い手教育を徹底することでサービスの平準化がなされた。
その結果、御用聞きはここ2~3年で著しい成長を遂げる。ひと月の稼働受注件数が、2015年度50件→2016年度100件→2017年度200件と、わずか2年で4倍に。事業規模が一気に大きくなり、2016年には初の黒字化が実現した。
年内には都内全域でのサービス提供を目指す。2019年には、愛知県名古屋市をカバーすべく、すでに同市在住のパートナーが準備を開始。2020年には大阪市と、全国を御用聞きが駆けまわるのが古市さんの夢だ。