就職の時、使えるものなら使いたいと目論む人も多そうな「コネ」。都内に住む30代の女性・Nさんは、父親のコネを使い、超大手企業に入社することに成功。しかし因果応報というべきか、それによって人生プランが大きく狂ってしまったという。
Nさんは自営業を営む両親のもとで育ち、中学からは私立の女子校に、大学は私立の女子大文学部に進学。就職に関してそれほど強い思いはなく、「何年か働いた後に結婚して専業主婦になる」というのが夢だった。Nさんにはお堅い職業に就いている年上の彼氏がいて、すでに両親にも紹介済み。しかし父親が就職の話を持ってきたことで、予定していた“人生の歯車”が狂い始める。
父親の最終学歴は高卒だが、学生時代の親友が大出世を遂げて、50代にして超大企業の社長になっていた。そこで、父親が軽い気持ちで娘の就職を頼んだところ、親友は二つ返事でOK。筆記試験や面接を経て超大手企業への就職が決まり、親子とも喜んでいたが、入社してみると思わぬ誤算があった。Nさんが語る。
「てっきり一般職での採用だと思っていたら、社長の一存で総合職での採用になっていたんです。後にも先にも、その女子大から総合職で採用されたのは私だけで、それだけ“社長のコネ”は強かったということです。同期は70名ほどいましたが、女性の総合職は3名だけ。私以外の2人は、私より遥かに偏差値の高い大学の出身でした」(以下「」内はNさん)
来客対応をしたり、コピーを取ったり、領収書を整理するようなOL生活を思い描いていたものの、社長の計らいで、バリバリの最前線に送り込まれてしまったNさん。いざ入社してしまえば、もはやコネ入社の経緯など関係なく、バンバン働かされることになる。