ファンケル（4921）：市場平均予想（単位：百万円）
企業概要
「ファンケル」を主力とする無添加化粧品、「カロリミット」などの栄養補助食品を展開する化粧品メーカー大手。化粧品ブランドはファンケル、アテニア、ボウシャなどに加え、年代別製品の展開による多角化を進めています。販売チャネルは通販のほか、直営店販売やコンビニ等に広がっています。
注目ポイント
業績ですが、一時は縮小傾向にあった売上高も、18／3期にはピーク時売上を突破。このV字回復は16年3月期を初年度とする中期経営計画「広告先行成長戦略」の成功にあります。顧客基盤の拡大など長期的視野に立った戦略的な広告投資を実施したことで、顧客数は回復した上に過去最高を更新する勢いとなっています。また、顧客数増加による売上増だけではなく、広告効率化によるコスト削減効果も得られ、大幅増益を達成しています。
19／3期も引き続き大幅増益が見込まれます。化粧品は、主力「ファンケル」での60代向け、若年層向けなど顧客層を絞り込んだ製品展開、アテニアの顧客増、ボウシャの海外店舗増による伸長が、また栄養補助食品ではヒット製品である「カロリミット」の強化に加え、「えんきん」の回復、滑り出し好調な「内脂サポート」の成長が寄与する見込みです。
また、中期的成長も期待されます。19／3期スタートの新中期経営計画では、ファンケルブランドの高中低価格への多角化や顧客層の拡大、ボウシャの海外展開加速、サプリメントのスター製品育成と中国での事業開始などが主な施策に挙げられており、前中期経営計画で成果を出した広告効率化の効果が継続することで、売上高が堅調に拡大する中、大幅な営業増益をもたらす可能性が高いと思います。
株価は最高値を更新し続けており、上値の重たさは感じられません。50日線に支えられる形で推移このまま上昇が期待できそうかと思います。
【PROFILE】戸松信博（とまつ・のぶひろ）：1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。
