広島・宮島が発祥の銘菓には、元祖を名乗る店が2つある。「元祖もみぢ饅頭高津堂」と「元祖もみじまんじゅう博多屋」だ。「高津堂」店主の加藤宏明氏が語る。
「もみじ饅頭は、祖父の高津常助が1906年に宮島で最初に焼きました。このことは、同業者の方はみな知っています。父の代で一時やめてしまったが、私は子供の頃から復活させたいと思っていた。10年ほど前に3代目として店を再開し、元祖を名乗っています」
一方の「博多屋」代表・博多裕氏は、「当店が焼き始めたのは、宮島のなかでも遅いほうです」と、“後発の元祖”であることを認めながらも、こう主張する。
「『高津堂』は一度(歴史が)途切れていますし、今は発祥の地である宮島の紅葉谷公園からも移転しています。私たちは、もみじまんじゅうが、単に“広島名物”ではなく、“宮島発祥”だと知ってほしくて、宮島で『元祖』を名乗っている」
※週刊ポスト2018年6月29日号