情報感度の高い層に人気の代々木上原
住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか？ まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は？ 今回は「代々木上原」（東京都・渋谷区）について、ライターの金子則男氏が解説する。
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東京メトロ・千代田線の終点・代々木上原は、渋谷区、世田谷区、目黒区の3区が接する場所にある高級住宅地。地名に「代々木」と付くので、山手線の代々木駅の近くを想像する人もいますが、むしろ渋谷の方が近く、下北沢までも歩いていける場所です。
鉄道路線は、千代田線と小田急線の2線。新宿までは急行で1駅、時間にして数分ですし、千代田線に乗れば赤坂、日比谷、大手町などのオフィス街へも10分強で到着できます。大量の小田急ユーザーが代々木上原で千代田線に乗り換えるため、通勤時間帯のホームは混み合っていますが、千代田線の始発駅なので座って通勤することも可能です。
道路状況は何とも微妙です。駅前を貫く井ノ頭通りは数十年前から拡幅工事を行っていますが、いまだに環七までの完全片側2車線化が完成しません。裏道は複雑怪奇。道幅は狭くて一方通行が多いうえ、歩行者も多く、運転には十分な注意を必要とします。ただ、駅周辺には平地がほとんどなく坂だらけなので、車が欲しくなる環境ではあります。
住む人を選ぶ街・代々木上原
「代々木上原」という地名自体にブランド力があることから、家賃は当然高く、ワンルーム・1K・1DKでも家賃相場は9.50万円と、少々お高くなっています（ライフルホームズ調べ）。
しかし駅周辺を歩けば、家賃が高くてもこの街が人気な理由がわかります。駅前のみならず路地裏にもオシャレな飲食店や雑貨店があり、わざわざどこかに足を運ばなくても、SNSに画像をあげたくなるようなお店ばかり。そしてその雰囲気に合った、情報感度の高そうな人たちが食事やお酒、ショッピングを楽しんでいます。
代々木公園が近いので、ジョギングを楽しむ人、流行のロードバイクに乗る人、犬の散歩などを楽しむ人も多く見かけます。そういった生活に憧れる人にとって、代々木上原は最高の街といえるかもしれません。
