全国の大手コンビニで働く外国人店員は4万人超。実にスタッフ20人に1人の割合となっており、その大半は語学留学生だ。『ローソン下落合二丁目店』(東京・新宿区)で働く陳鼎頤(チン・テイイ)さんもその一人。中国・南京市で生まれ育った19才で、日本語学校に通う留学生だ。
コンビニ業界にとっても、深刻な人手不足の中、留学生たちは大事な“戦力”。そんな彼、彼女らに向け、他社に先駆けて外国籍クルーの研修に力を入れているのが、陳さんが働くローソンだ。
ローソンへの人材派遣や育成を行う会社『ローソンスタッフ』でチーフトレーナーを務める吉岡由美子さんは、冒頭のローソン下落合二丁目店に併設されている東京トレーニングセンターで、外国人留学生に向けた研修を行っている。熱血指導ぶりから、ついたあだ名は“ニッポンの母”。
「コンビニの仕事って、販売1つとっても、覚えることがとても多いんです。食べ物に限って言っても、総菜の種類が多いうえ、それを入れる袋も温かいものと冷たいものとで違う。さらに、調味料やカトラリーなど、どれに何をつけなければいけないという決まりもある」(吉岡さん)
さらに、商品のバーコードが読み取れなかった時のために日本語で書かれたメニューキーも覚える必要がある。支払い方法は現金やクレジットカード、電子マネー数種類と多岐にわたる。極めつけはポイントカード。貯めるか、使うか、そもそも持っているかを確認しなければならない。
「私たちは日本に生まれて当たり前のようにコンビニを利用してきたので、教わらずともわかることがある。でも、彼女たちは全くそれがない。マイナスからのスタートなんです」