異国での厳しい研修をくぐり抜け、コンビニのレジに立つ外国人店員たち。彼らの姿が日に日にコンビニに増えている背景には、日本人労働者の“コンビニ離れ”もある。コンビニで働く外国人100人以上に取材してきた、『コンビニ外国人』(新潮新書)の著者、芹澤健介さんはいう。
「コンビニの新人アルバイトの時給は、各都道府県の最低賃金(東京なら958円)に限りなく近い。それにもかかわらず、覚えることは多岐にわたり、業務量は過重です。実際、日本人の現役大学生の間では、コンビニでのアルバイトは不人気で、『コンビニは時給が安いから働きたくない』『同じ時給ならカラオケボックスの方が楽だと思う』といった理由で敬遠される傾向にあるのが現状です」
その結果、コンビニでは慢性的な人手不足が起きている。
「東京の世田谷区でコンビニを経営するオーナーいわく、店の前に人員募集の貼り紙をしても、1年間まったく応募がなく、自ら深夜や早朝のシフトに入るよりほかなかったそう。このような状況で、自ら志望してコンビニで働く外国人たちは“金の卵”といえるでしょう」(芹澤さん)
一方、彼らの向学心につけ込んで、無茶な働き方をさせようとする店舗もまれにあったりするという。都内のコンビニで働くネパール人店員は、アルバイトを始めたばかりの頃、深夜や早朝のシフトばかり入れられたと語る。
「入ったばかりでもし文句を言ったら辞めさせられて、学費や生活費が払えないかもしれないと思い、黙ってがまんしました」(ネパール人店員)