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相続税の減免措置にも申告必要 ケアレスミスで大出費も

3年前の相続税改正で相続税は“普通の人”を対象にした税になった(Reuters/AFLO)

 相続税と聞いて、多額の遺産を持つ資産家だけの話だといまだに思い込んでいる人は、そろそろ考えを改めたほうがいい。今や申告対象者は一般家庭にまで広がり、「自分は相続税がかからない」、そう思っている人ほど狙われることになる。

「うちは様々な控除や特例を使え、親の遺産が相続税非課税の範囲になるから申告しなくて済んだ。税務調査の心配はない」

 そう思っていると、痛い目に遭うかもしれない。相続手続きの際に中途半端な知識で税額を計算し、「相続税ゼロ」を「非課税」と解釈して税務申告していないケースが少なくないからだ。

 その典型が相続税に関する「特例」をめぐる勘違いだ。都内に暮らすAさんは同居していた母が亡くなり、実家の土地と古い家を相続した。

 土地は100平方メートルほどだが、駅近の立地で地価(路線価)は1平方メートル50万円と高く、評価額は5000万円になった。建物の評価額は100万円で、他に母が早く亡くなった父の遺族年金を蓄えていた預金が900万円ほどあった。遺産は全部で6000万円になる。

「相続税はどのくらいかかるのだろうか」。Aさんが国税庁のホームページを調べたところ、「小規模宅地等の特例」という減免措置があることがわかった。これは、故人が住んでいた住宅を同居親族が相続した場合、土地の相続税評価額を8割引きで計算できるという制度で、Aさんはぴったり条件に当てはまる。

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