田代尚機のチャイナ・リサーチ

大連万達、蒙牛乳業… 中国企業7社がW杯スポンサーに名を連ねる背景

習近平主席は大のサッカーファンとして知られる

 6月17日のレコードチャイナは、「市場研究会社のZenithが7日に発表したデータによると、今大会で中国企業が支払う広告料は8億3500億ドル(約918億円)で、米国の4億ドル(約440億円)や、開催国ロシアの6400万ドル(約70億円)よりずっと多い」と伝えている。

 中国チームは今回のワールドカップには出場していない。それどころか、2002年日韓大会で1度、出場経験があるだけだ。その時は、未勝利、未得点と言った結果に終わっている。ナショナルチームがゲームに出られないにもかかわらず、なぜ7社もの中国企業がスポンサーに名を連ねているのだろうか?

 最大の要因は、中国のサッカー人気が高いからであろう。ネットでは、連日、各メディアが詳しく試合結果を伝えており、その内容は非常に充実している(たとえば、http://2018.qq.com/など)。若者から年配者までサッカーファン層は厚い。男性ファッションアパレル、食料品、スマホメーカー、電動自転車など消費関連企業にとって、大きな宣伝効果が望めるのは間違いない。

 また、習近平国家主席は大のサッカーファンであり、スポーツ振興の中では特にサッカーに力を入れている。政治的なアピールにも役立ちそうである。

 視点を少し変えてみれば、中国には多額の宣伝広告費を支払うことができる企業がたくさんあるという点にも注目すべきだろう。それだけ、中国の消費市場は豊かであるということだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。

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