橘:一人で暮らすという発想がないんですね。一方で人的ネットワークさえあれば、住む場所や国籍には全くこだわらない。
西谷:華僑は世界中どこにでもいます。国籍は自分にとって“便利な国”を選ぶくらいの感覚でしかないですよね。仕事も同じで、条件のいい会社にすぐ移る。だからブラック労働も、中国では起こり得ない。“辞めたいのに辞められない”という日本人労働者の感覚は、中国人には奇妙に映るでしょうね。
橘:辞めればいいじゃんと。日本だと、社員は会社に滅私奉公して、その代わりに会社に守ってもらうという感覚があるから、無理難題を押し付けられても我慢しますが、中国人にそれはない。
西谷:中国人はたしかに身勝手で自己中ではありますが、日本人も少しは見習ってもいいのかもしれません。
※週刊ポスト2018年7月6日号