港区麻布界隈に住む、セレブな「麻布妻」たち。高給を稼ぐ夫とともに、さぞ優雅な生活をしている──と思いきや、苦労もあるようだ。麻布妻でライターの高木希美氏が、特に外資系金融務めの夫を持つ女性たちの間で“あるある”だという「夫の態度」をリポートする。
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以前、近くの料理教室で一緒になった凛子さん。旦那さんは投資家で、麻布十番交差点からほど近い高級マンションに住んでいます。年齢は聞いていませんが、30歳くらいでしょうか。
そんな凛子さんを誘って、近所に住む知人の数人で一緒にケーキを食べていたときのこと。私の「子育て中で家事が大変」などという会話の流れで、凛子さんが「うちは家事出来高制なの」と言い出しました。
洗濯機回したら1000円、料理3000円など、家事をすればお小遣いが上乗せされるそうです。生活費は家賃光熱水費を別にして20万円、そして必要に応じて使える家族カード。それにプラスして出来高制のお小遣いということで、みんな「なにそれ最高だね!」と言いました。
近所に住む仲良しママの真麻さんの反応は「それだけもらえることが凄いんじゃなくて、ご主人がそれだけきちんと見てることがすごい」。
これには一同納得でした。なぜその言葉にみんなが頷くのか、少し説明が必要です。
特に私の周囲の女性たちは夫が「外資系金融勤務」という人が多く、そうした“外資妻”に聞くと、彼らの仕事はクビが隣り合わせだからか、家庭ではピリピリしているケースがあるのです。「俺が稼いでいるんだ」「俺がカネを出しているんだ」という言い方をするのです。
真麻さんは、子育て中の気分転換として、親が子供を見てくれている時間にネイルサロンでのアルバイトをしてみたいとご主人に言ったところ、「俺の稼ぎで毎月40万円以上使うのに、数時間働いても1万円にもならない仕事して何になるの?」と言われたそうです。