夜の繁華街を歩いていたら、ニヤニヤした男が片手を「グー」の形にして縦に向け、親指と人差し指で作った空間の部分を別の手で叩き、くぐもった音を作りながら「パコパコ!」と言いながら誘われまくったものです。物乞いからも我々日本人は大人気でしたが、今やあまり寄ってこない。
むしろ「Korean?」か「Chinese?」と言われることの方が多い。「No」と言ったら「なんだ、お呼びじゃねーよ」とばかりに去ってしまう。ほんの10年ほど前、我々は東アジア出身観光客としてはもっとも上客扱いをされていたのですが、今やすっかり韓国人と中国人の後塵を拝している感覚があります。
中国人や韓国人の方がバスを使ったツアー等を積極的に活用し、一斉にカネを落とすという旅行スタイルを取っている一方、日本人は個人客が多く一斉にカネが落ちないと思われているのは事実でしょう。それは、私が泊まるそれなりの高級ホテルでもそうです。かつては日本人がかなり多かったですが、今では中国人と韓国人、インド人が圧倒的に目立つ状況です。
日本人=ケチは定着したか
現地で声をかけられることが激減したこと自体はかなり快適なのですが、「うぜぇなお前、声かけるんじゃねぇ!」と思っていた時代が過ぎ去ったことは、我々日本人が明らかに金づるとしての価値が減ったことも意味しているでしょう。
これは昨年末から今年年初に訪れたカンボジアでも同様でした。そして、冒頭の記事同様、日本人の若者観光客は値切るのが娯楽や作法とでも思っているのか、とにかく値切る。お土産屋等ではヘラヘラ笑いながら「つー・えくしぺんしぶ(too expensive)」なんて言いながら、値切る姿を時々見る。
あとは、カンボジアのアンコール・ワットのお膝元・シェムリアップの繁華街にある飲み屋では、中国人や韓国人が豪快に注文している中、日本人の学生と見られる集団はハッピーアワーで1ドルのビールを1杯ずつ頼み、これをジルジルと時間をかけて飲み、すっかりぬるくなったビール1杯でできる限り長時間粘ろうとしている。