さらに、面倒くさい場面を目撃したこともあります。日本人観光客の集団が1食1食を大事にしているのか、店頭に置かれたメニューを念入りに皆で見続けながら、会議をするんですよ。その時に聞こえる言葉は「この店はさっきの店よりもコスパが悪そうだ」とか「ちょっとビール1杯の値段、さっきの店よりも高いぞ」みたいなコメントです。いや、日本よりも明らかに物価安いんだからもういいじゃん、みたいなツッコミは通用せず「日本よりも物価が安い国にせっかく来たんだから、その恩恵を最大限受けねば……」的「得するか損するか」的ケチ根性を感じたのであります。
こうした「貧乏旅行」をすることが青春の思い出なのかなんなのかは分かりません。ただ、セコい金遣いをする彼らに影響されたか、過去には東南アジア(タイ・ベトナム・カンボジア)では積極的に店頭の客引きに「カモン」「アイテルヨ」などと誘われた私も、もはやあまり誘われなくなりました。
多分、雰囲気で日本人と分かるのでしょう。私自身も短パン・Tシャツ・サンダルという貧乏くさい格好をしているだけに、「またカネのない日本人か、ケッ」と思われていると勝手な被害妄想を抱いてしまいます。
これはヨーロッパでも同様で、2015年末にイタリアのベネチアに行った時も、乗船料約1万円するゴンドラに乗っているのはいずれも中国人か韓国人でした。
日本人の中には、「中国人や韓国人はまだまだ“お上りさん”で、洗練されていないからとにかく名物を手あたり次第試しているだけだ。我々日本人は余裕をもったバカンスを楽しんでるんだよね」なんて言いたくなる人もいるかもしれない。
ただ、明らかに現地の人から「日本人=ケチ」「中国人と韓国人=良いお客様」的意識は感じる時代になっていることは間違いないようです。