トルコの大統領選が終わり、エルドアン大統領が再選された。FX(外国為替証拠金取引)業界では、トルコリラ円相場の混乱に備えるべく多くの「注意喚起」がなされていたが、結果的に値動きに大きな混乱は見られなかった。こうした事態に直面した時、トレーダーはどう相場と向き合うべきか、カリスマ主婦トレーダーの池辺雪子さんが考察する。
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トルコの大統領選が終わり、エルドアン大統領が再選されましたが、大統領選前は金融取引所や各証券会社から注意喚起のお知らせが出るなど、為替相場にかなりの混乱が予想されていました。
中には「値段が表示されなくなる」「スプレッドが異常に拡大する」そのような可能性が示唆されている文書もあり、心配になった個人トレーダーの方も多かったのではないでしょうか。
私が相場を教える生徒の中にも「ここから3円下落すると聞いた」ということで、かなり心配されていた方もいましたが、同様に、多くのトレーダーの方が混乱する事態となっていたようです。
聞くところによると、「トルコリラは買わない方が良いですよ」と引き止める証券会社もあったようです。少し前までは証券会社でも「トルコは高金利通貨で買いのチャンスですよ」と大々的に宣伝して勧めていたのですが……。
不安の波に流されてはいけない
私としては大統領選挙前のこういった業界の状況に対して少々違和感を覚えました。
もちろん、大統領選挙の結果によっては相場が大きく動く可能性も考えられますので、資金管理を徹底して用心しながらトレードしなければいけない、ということは当然のことだとは思いますが、「価格が表示されなくなる」といった極端な注意喚起に対して「そこまでの混乱状態に陥るのか?」と疑問に思っていました。