すると案の定、選挙後のトルコリラ円相場では、言われていたような大きな下落は見られませんでした。むしろ大統領選の翌日月曜は窓を開けて1トルコリラ=24円台まで上昇しました。再選されたエルドアン大統領が、トルコに現在発令されている戒厳令を解く旨の発言をしたということも材料視され、上昇したようです。
その後、エルドアン大統領が金利に関して「中央銀行とは金利の件について、改めて話し合う必要がある」という旨の発言をしたことで、再び1トルコリラ=23円台まで下落したものの、大幅に下落する事態にはなりませんでした。
私から言わせれば「下がる下がる」と世間が大騒ぎしているような時はみんなが慎重にトレードするようになり、相場は下がりづらくなるものです。
むしろ、「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言が示すように、良き買い場になる可能性が考えられます。
ですから、今後またこのように重要イベントの前に世間が大騒ぎすることがあっても、その波に飲み込まれず、不必要に不安に思うことなく客観的にチャートを分析し、トレードすることが大切だと私は考えています。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。