ドライバーにとって、休憩場所としてはもちろん地域の特産グルメも楽しめる場所となっている「道の駅」。1993年に全国103か所でスタートし、現在は1145駅にも上る。中には、週末になると大混雑するような人気スポットも存在する。キャンピングカーで車中泊をしながら、これまでに全国1064駅を制覇した「道の駅の達人」こと浅井佑一氏は、こう分析する。
「まず地元の農産物や海産物など『生鮮品』を扱っているところは活気に溢れています。魚に特化した『萩しーまーと』などは代表格。地元の人が日常的に買い物することで平日も活性化しています。また(栃木県の)『もてぎ』のユズのように特産品を多彩な商品に展開している駅も強いですね。
他にも農業体験や和紙づくり、塩づくりといった、その土地ならではの体験ができる施設も人気を集めていますし、温泉はもちろん宿泊施設まで完備した駅も増えている。もはや道の駅は立ち寄るだけでなく、長時間滞在できる“旅の目的地”に様変わりしているのです」
一方、近年開業した駅の中には防災機能を担うものも多く、過疎・高齢化の進む地域では診療所やバスターミナルを隣接させるなど、住民の生活を支える道の駅も増加している。
現在、道の駅では地域ブロックごとにスタンプラリーが実施され、完全制覇すると特典が得られるなどさまざまな仕掛けが施されている。また一般道にある道の駅に立ち寄るために高速道路から一時退出しても料金を継続する実験が進むなど、利便性が高まっている。国内のみならず、タイやベトナムなどに「Michi-no-Eki」としてインフラ整備が輸出され、国際化も進む。「道の駅」の魅力はまだまだ高まろうとしている。
※週刊ポスト2018年7月13日号