米中双方はとうとう追加関税を課し合うことになった。アメリカは7月6日午前0時1分(北京時間正午12時1分)より、自動車、半導体、医療機器、産業機械など818品目を対象に年間340億ドル相当の中国からの輸入品に対して25%の追加関税を課す措置を発動した。
これに対して中国はすぐさま、国家の核心的利益と人民群衆の利益を守るため、反撃せざるを得ないといった声明を出しており、一部のマスコミでは、米中貿易摩擦は貿易戦争に突入するのではないかといった見方もある。
トランプ大統領の強硬姿勢も続く。7月中にも発動すると見られる160億ドル相当の追加関税に加え、7月10日にはさらに、2000億ドル相当の追加関税措置も発表。後者は9月にも発動するか最終判断するという。今後、本当に「戦争レベル」まで緊張は高まるのだろうか?
中国商務部の分析によれば、今回の340億ドルの追加関税について、対象となる品目の内、200億ドル強、全体の約59%が外資企業の生産する製品であり、この中で、アメリカ企業の占める割合も相当分ある。今回の措置は、中国企業だけでなく、アメリカを含む各国企業に対しても追加課税をかけることになってしまう。本質的に打撃を受けるのは、グローバルの産業チェーン、バリューチェーンである。
トランプ大統領はこれから制裁領域を広げると言っているが、領域が広がれば、中国企業ではなく、アメリカ企業に対する制裁となってしまう部分がずっと大きくなるはずである。たとえば、今回、アップルが中国で組み立てを行い輸入しているスマホは対象となっていない。白物家電についても同様である。アメリカはこうした領域に追加関税を課すことはできないはずだ。米中の企業間活動は極めて密接に結びついてしまっており、もはや引き離すのは難しい部分が多い。