最後に「老後に使うお金」です。長期で保有する予定の資産の中で「老後のため」と決めた部分については、確定拠出年金や個人年金といった専用の“場所”に貯めておくと有利です。60歳までは原則として引き出せないというデメリットはありますが、例えば確定拠出年金なら、貯めた分(拠出額)については所得から控除されるため毎年の税金が安くなり、運用益も非課税、将来そのお金を受け取るときにも節税メリットを享受できます。
複数の金融商品を保有することは「普通預金だけ」よりも手間がかかることからハードルを感じている方も少なくないでしょう。一方で、それを使い分ければ有利に貯めていくことができます。「いつ使うか」という視点で、様々な「お金の置き場」を活用できるようになっていただきたいと思います。
◆しみず・あや/CFPR、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員I種。30歳でファイナンシャル・プランナーとして独立、長野・東京で活動中。主に30~40代の「普通のくらし」を求めている方への「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念として活動している。HPはhttp://www.fp-saku.com/。