西日本に甚大な被害をもたらした記録的豪雨(平成30年7月豪雨)で、水害の恐ろしさを改めて感じた人は多いだろう。浸水したり倒壊した住宅の被害は、火災保険に加入していれば補償される場合があるが、そうでない場合もある。
一般的に火災保険は火災だけでなく、落雷や破裂、爆発といった事故も補償される。合わせて風や雪による風災、雪災も対象になっていることが多いが、洪水など雨による水災は必ずしもカバーされていない場合があるのだ。
選択するプランによって、水災の補償はつけたりはずしたりできるようになっているのが一般的だ。近くに海や川がない住宅や、マンションの高層階など被害に遭う可能性が低い住宅の場合、補償を外して保険料を安くできるようになっているからだ。
このため、火災保険加入の際に保険料を抑えることを優先した場合は、水災はカバーしていないことが多い。なにしろ、水災をカバーすると保険料が倍近くに跳ね上がることもあるのだ。筆者が自宅の火災保険の見積もりを取ったときも、水災をつけなければ約1万8000円(年払)の保険料が、水災補償をつけると約3万4000円になってしまった。
水災を補償するかしないかは、自治体がウェブサイトなどで公表しているハザードマップが参考になる。今回の西日本豪雨でも、被害が大きかった地域は洪水ハザードマップが想定していた浸水域とほぼ一致していることが注目された。ただし、ハザードマップが想定していなかった地域でも被害があったので万能なわけではないが、危険が想定される地域なら加入を検討する価値はあるだろう。