投資

【ドル円週間見通し】ドル買い地合い鮮明、今年最高値意識も

今週のドル円は底堅い動きか

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が7月16日~7月20日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円はやや底堅い動きとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ加速期待を背景にドル買い地合いが鮮明となり、今年最高値を目指す展開となりそうだ。反面、米中貿易摩擦の中国経済への影響が示されれば、世界経済の減速懸念で円買いが強まる見通し。ドル・円は5月高値(111円40銭)を上抜けておりたことで、ドル買いムードが強まっている。次の節目である113円や1月8日に付けた今年最高値113円38銭が意識されそうだ。

 12日に発表された6月の米消費者物価コア指数(CPI)は前年比+2.3%で5月実績を上回り、11日の6月生産者物価指数(PPI)と合わせ、年4回(あと2回)への利上げ期待が高まった。米中貿易戦争の影響については、見方が分かれる。米トランプ政権は中国の知的財産権侵害に対する追加制裁を発動する方針だが、発動時期は9月とみられるため過度な懸念は後退し、円売りに振れやすい。

 ただ、中国経済への悪影響も指摘されるなか、16日発表の中国4-6月期国内総生産(GDP)が市場予想(前年比+6.7%程度)を下回った場合、世界経済の減速に対する警戒感が高まり、リスク回避の円買いが増える可能性がある。6月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、米中貿易戦争の経済への影響について意見が交わされており、状況によっては利上げシナリオ修正の可能性もある。

 なお、16日に米ロ首脳会談が開かれる。トランプ米大統領とプーチン・ロシア大統領による初の正式会合となるが、北朝鮮問題やシリア、ウクライナ情勢、核軍縮などが主要議題になるとみられている安全保障問題で米ロが歩調を合わせて防衛問題などに取り組むことで一致すれば、地政学リスク低下の観点で円売り材料になるとの見方が出ている。

【米・6月小売売上高】(16日発表予定)
 16日発表の米6月小売売上高は前月比+0.6%と、5月の+0.8%を小幅に下回る見通し。想定を大きく下回らなければ個人消費の下振れ懸念にはつながらず、ドル売りにはなりにくい見通し。

【米・7月フィラデルフィア連銀景気指数】(19日発表予定)
 19日発表の米7月フィラデルフィア連銀景気指数は20.0と6月の19.9をやや上回ることが予想される。良好な米国経済を裏づける見通しであり、予想通りならドル買い材料となろう。

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