人気を集める投資信託「ひふみ投信」の拡大が止まらない。独立系運用会社レオス・キャピタルワークスは、直販の「ひふみ投信」、銀行や証券会社で外販する「ひふみプラス」、確定拠出年金制度で購入する「ひふみ年金」を扱い、これら3つを合わせたひふみ投信マザーファンドの純資産総額は「7738億円」に達している(以下、数字は6月末時点)。
運用責任者を務める藤野英人氏(同社代表取締役社長・最高投資責任者)は、「すでに日本株を主に運用するファンドとしては最大となったが、このままの伸びが続けば純資産総額も1兆円が見えてくる」という。
日本で運用されている投資信託(ETFを除く)の純資産総額を見ると、これまでは「フィデリティ・USハイ・イールドF」(フィデリティ投信)が第1位となってきたが、6月末時点で7592億円にとどまり、純資産総額6109億円の「ひふみプラス」を筆頭に、急拡大が続くひふみ投信シリーズは総額でついにトップに躍り出た格好だ。藤野氏がいうように、「1兆円ファンド」も十分視野に入ってきている。
「1兆円ファンド」といえば、真っ先に思い起こされるのが、ITバブル真っ只中の2000年2月に登場した「ノムラ日本株戦略ファンド(愛称・BigProject-N)」だろう。野村証券グループが総力を挙げて募集額1兆円と銘打った同ファンドは、翌3月に運用開始時の基準価額1万円を上回ったものの、ITバブル崩壊に伴って損失が膨らみ、2009年には基準価額が3000円台にまで下がった。2017年9月にようやく1万円を上回ったが、今や純資産総額も700億円余りとピーク時の10分の1以下となり、往年の姿は見られない。