そして、ここにきて海外株投資を拡大する背景には、こんな理由もあると明かす。
「成長企業に投資するという点で、ひふみに海外株を組み入れる計画はもともとありました。ただ、端的にいえば、2008年から運用を開始して以来、海外への出張費が出せなかったから、海外株を投資対象として調査することができなかった(笑)。それがファンドの拡大に伴ってようやく出張できるようになり、海外に投資する機会ができました。いずれは米国、中国などにも調査拠点も設けたい」(藤野氏)
とはいえ、海外株への投資には「為替リスク」がつきまとう。国内から海外に投資するファンドの多くは為替リスクをヘッジする手法をとるが、ひふみ投信では「為替ヘッジはしない」という。なぜか。
「これまで国内株中心だったひふみ投信は、むしろ『日本円リスク』を抱えているといえます。ですから海外株を“丸裸”で持つことによって、通貨を分散する効果も期待できる。なにより今後も成長が見込める銘柄選びに注力する以上、為替ヘッジするコストと思考がもったいない」(藤野氏)
ひふみ投信は今後、海外株の比率を現在の10%から15%程度まで拡大する予定だという。国内外の成長企業にどのように資金を振り向けていくのか。注目が高まる。