これまで日本の中小型成長株を主戦場として高いパフォーマンスを叩き出してきた「ひふみ投信」だが、昨年6月からアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトといった海外株を組み入れ、その比率を高めている点が金融業界で注目を集めている。
これまでの戦略を変更してまで海外株に目を向ける理由は何か。運用責任者である藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者)は、次のように説明する。
「日本と米国の時価総額10社を見比べれば一目瞭然だと思います。6月末時点の日本の上位10社は、1位のトヨタ自動車や4位のソフトバンクグループなどを除けば、2位のNTTドコモ、3位の日本電信電話(NTT)、10位の日本たばこ産業(JT)など元国営企業だらけで、5位の三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめサラリーマン社長が経営する企業ばかりで、目新しさは感じられません。
これに対し、米国の上位10社は、1位のアップル、2位のアマゾン・ドット・コム、3位のアルファベット(グーグルの持株会社)、4位のマイクロソフト、5位のフェイスブックなど創業者が興した新しい会社で占められている。投資対象として10年後どちらが成長するかを考えれば、答えは自ずと見えてくるでしょう」
米国の時価総額トップ5は、そのまま世界の時価総額トップ5となっており、時価総額だけでいえば“超ド級の大型株”といえるが、藤野氏が重視しているのはあくまで「持続可能な成長性」だという。