田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国で進む内需シフト 有望視される老人ケア、教育、健康の3分野

【2】教育

 1980年代、90年代に生まれた世代は特に教育に熱心である。2017年における中国の海外留学者数は60万人を突破しており、国内での語学訓練サービスの需要が高まっている。中国経済景気監測センターの住民貯蓄消費調査によれば、都市部家庭における消費支出項目の中で教育の伸び率が最も高く、毎年20%前後の伸び率となっている。

 香港市場には幼稚園(あるいは小学校)から高校まで一貫教育を行う学校を経営している上場企業がある。中国楓葉教育(01317)、成実外教育(01565)、睿見教育国際(06068)、中国宇華教育(06169)などで、そのほか大学運営を行う中国教育集団(00839)、中国新高教集団(02001)、民生教育集団(01569)、中国新華教育(02779)なども上場している。

 2017年に入り急速に私立学校の上場が進み始めている。

【3】健康

 ここ数年、アメリカにがんの治療、イギリスに心臓の手術、ドイツに整形外科の診療、日本に人間ドッグの検診、韓国に美容整形の治療などの目的で出国する者が増えており、高いレベルの健康医療サービスに対する需要が急速に高まっている。

“健康中国2030計画綱要”によれば、2017年の中国健康サービス産業の市場規模は4兆9000億元だが、2030年には16兆元に達すると予想している。所得の増加、消費構造のレベルアップ、老齢化、都市化の加速、医療体系の健全化などにより、健康サービス産業は高成長時代に入っている。アリババ集団(BABA)、百度(BIDU)、テンセント(00700)などが積極的に関連企業への投資を行っている。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。