いまだにこんなことが平然とまかり通っているのか?──7月4日、文部科学省のエリート官僚が次男を東京医科大学に「裏口入学」させたとして、東京地検特捜部に逮捕された。 だが、今回の事件は、実際には氷山の一角といわれる。というのも、父親が官僚だったので「贈収賄容疑」で立件できたが、一般に、私立学校においては金銭やコネで入学させたとしても罪に問われない。だから、なかなか表面化しない。
裏口入学は、大学入試だけでなく、高校や中学、お受験の小学校や幼稚園でも蔓延しているという。気になるのは、その「お値段」だ。都内名門私大系列小への裏口入学にかかわる学校関係者が明かす。
「巷では、数百万円から数千万円、一部には億単位のカネが動くなんていわれますが、実際には、ほとんどお金は発生しません。地位も立場もある学校組織の幹部が、そう簡単に現金を受け取ると思いますか? せいぜい数万円の商品券や、料亭でのお礼の食事会ぐらいで充分なんです。
“多額のお金が必要”というのは、仲介者(ブローカー)が作り出した印象だけです。彼らは“相場は500万円”、“教授が3000万円必要だと言っている”などウマいことを言って、受験生の親からカネを受け取るが、それを学校幹部に渡すわけではなく、自分の懐に入れてしまうケースがほとんどです」
仲介者で多いのは、OB会・同窓会の幹部や、受験塾の関係者、政治家の秘書など。彼らが、依頼者の足元を見つつ、一般家庭なら数十万円から数百万円、資産家ならば数千万円単位で持ちかけることが多いようだ。
「ある名門私大やその系列校では、著名な創設者の孫やひ孫などの一族がそれぞれに“枠”を持っています。彼らが“現学長は私の言うことを聞く”などと言って裏口入学を斡旋しています」(受験塾関係者)
学校関係者はこうアドバイスする。
「高額な金銭を要求する仲介者のほとんどは詐欺。試験に落ちた後に、“いくらなんでも息子さんの成績では…力足らずでした”と言われれば引き下がるしかないし、親としてもカネを払ったことは公にしにくい。裏口で合格した人の何倍も泣き寝入りしている親がいることを知っておいた方がいい」
※女性セブン2018年8月2日号