これまでの携帯電話に較べ使用料金が高止まりしがちなスマートフォン。こうしたユーザーの悩みにこたえる新サービスが登場している。携帯電話や固定電話への通話が格安になる「通話アプリ」だ。
2013年末には、楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズが、従来料金の半額をうたった「楽天でんわ」サービスを開始した。2014年2月にはLINEがさらに安い料金を実現した「LINE電話」を発表。また、インターネット電話で知られるスカイプや、NTTコミュニケーションズのIP電話「050plus」などの既存サービスも加わり、スマートフォンの格安通話サービス競争がにわかに熱を帯びてきた。
こうしたサービスで料金が安くなるのはいいが、通話品質も気になるところだ。LINE電話や050plusなどはインターネット回線を利用しているのに対し、楽天でんわとG-Callは電話回線を使用している。環境にもよるが、基本的にはインターネット回線よりは電話回線のほうが通話は安定しているとされている。
そこで、LTE環境下でauの回線とLINE電話、楽天でんわを順に試してみた。通話相手とも共通する感想としては、3社の通話品質に料金の差ほどの違いは感じられなかった。あえて順位をつけるなら、意外にもLINE電話が最もクリアで、次がau、楽天でんわは若干くぐもって聞こえる印象があった。とはいえ、こればかりは使用環境やユーザーの主観にもよるので、興味がある人は実際に試してみるのがいいだろう。
使用する電話番号の扱いもポイントのひとつだ。050plusでは、050で始まる専用番号が割り当てられ、その番号で発着信するしくみだ。携帯電話事業者に割り当てられた番号と合わせ、ひとつの端末で2つの電話番号を持つ形になる。
これをメリットとみるか、デメリットとみるかはその人次第だ。たとえば、同じ端末で仕事とプライベートの番号を分けたいときなどには便利だが、050で始まる電話番号を持ったことを相手に伝えておかないと相手にはだれから電話がかかってきたかがわからない。そもそも、050から始まる電話番号を使うことに抵抗を感じる人もいるだろう。
※マネーポスト2014年夏号