住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「代々木」(東京都渋谷区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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今回取り上げる代々木は、全国区の知名度を誇る施設が多い場所。都内屈指の広さを誇る代々木公園、多くの受験生がお世話になる代々木ゼミナール、バレーボールやバスケットボール、体操、新体操、様々なジャンルの室内競技やコンサートに使われる「代々木体育館」(国立代々木競技場)など、「代々木」の名を冠した有名施設がいくつもあります。とは言っても、「代々木」と呼ばれる範囲は広く、代々木公園と代々木体育館の最寄り駅は山手線の隣駅の原宿です。
鉄道の充実度は、都内でも最強クラス。JR山手線と総武線に加え、大江戸線があり、小田急線の南新宿駅や副都心線の北参道駅などもすぐの距離。隣駅の新宿駅とは駅間が短く、新宿駅へも徒歩で10分程度なので、どこへ行くのも便利です。
道路状況は、線路が東西を分断しているため、2つに分けて考える必要があります。東側は明治通りという主要道路が通っていますが、ここの渋滞は極悪です。千駄ヶ谷から信濃町に抜け、外苑東通りに抜けるルートはさほど混雑しないので、早めに抜け道を覚えると良いでしょう。
一方、駅の西側は、道は広くありませんが、参宮橋方面に抜けて高速に乗ることもできますし、甲州街道も使えるので、上手に使えば車は有効です。ただしJR病院脇の小田急の踏切には要注意。ここは都内でも有数の“開かずの踏切”で、ハマるととんでもないことになります。