年金を繰り下げ受給、退職金を一括でもらい、万全の備えで老後生活に入ったはずが、みるみるうちに貯金が減ってゆく──定年後の生活にはそんな落とし穴が存在する。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんが語る。
「財布からではなくカードや口座引き落としで支払う“見えないお金”が浪費につながる。定年後はライフスタイルもガラリと変わるため、それらの支出を一度見直すことをお勧めします」
例えば、Suicaなど交通系電子マネーのオートチャージ。パスモはコンビニや自販機などでも使えるため、無意識のうちに散財してしまう。
「契約時に登録したままになっていた月額数百円が引き落とされるスマホのアプリや、何枚も契約したクレジットカードの年会費も見直しの対象としてください。特にクレジットカードは年会費無料のものが1枚あれば事足ります。
また、残業や接待で遅くなる夫を待ってから寝る夜型の生活から朝型の生活に移行するなど、生活習慣が変化するに伴い、電気やガスなどの公共料金のプランを変更することで公共料金を安くすることも可能です」(松崎さん)
平日に自由な時間ができると公共の施設も利用しやすい。
「ジム通いをやめて自治体のスポーツセンターに行く、夏の真昼は、家でクーラーを効かせたりカフェで涼んだりするのではなく図書館に行くなどの行動で、さらにお金を浮かせることができる。今のスポーツセンターや図書館はきれいで設備も充実しています。空いた時間を賢く、楽しく使って素敵なリタイア生活を過ごしてください」(松崎さん)
※女性セブン2018年8月9日号