生命保険各社は、4月から保険料を改定している。対応は各社で異なるが、たとえば日本生命は定期保険を中心に最大24%の引き下げ、ソニー生命は30歳男性の場合で定期保険を14.6%引き下げている。この改定を上手に活用すれば、数十万円の出費を減らすこともできそうだ。
生命保険の保険料は主に、「予定利率」「予定事業費率」「予定死亡率」の影響を受ける。予定利率は加入者から預かった保険料を運用する利回りのこと。金利が高ければ期待利回りも高くなるので保険料を安くできる。予定事業費率は、保険会社の経費の部分。人件費や広告費などのコストを削減できれば、保険料を下げることができる。
予定死亡率は、年齢や年齢ごとの死亡割合のこと。死亡割合が下がれば保険金を支払う確率が下がるので、死亡保障の保険料は下がる。一方で入院給付金などを支払う確率は上がるので医療保険やがん保険の保険料は上がる。
今回の改定は長寿化によって予定死亡率が下がったことに対応したもの。予定死亡率の元となる標準生命表が改定されたのは11年ぶりだ。
実際の平均寿命もこの10年で1歳以上延びている。厚生労働省の簡易生命表によると、最近の平均寿命は男性が81.09歳で女性が87.26歳となっている。一方、10年前の平均寿命はそれぞれ79.19歳、85.99歳だから、男性は1.9歳、女性は1.27歳延びたことになる。