資産の増減に合わせてお金を引き出すため、「身の丈」に応じた暮らしになることも特徴の一つだ。
「引き出しを定率にすると、運用がうまくいっていないときは少ない引き出し額の範囲内で収まる生活をする必要に迫られ、無駄遣いを減らして生活のダウンサイジングを実践していくことになります」(家計の見直し相談センター代表の藤川太氏)
ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏はこう指摘する。
「生活のダウンサイジングや支出の見直しに抵抗を覚える人は多いですが、生活資金を資産の『定率』で引き出しすることによって毎月の上限額が少しずつ変わることをゲーム感覚で楽しんでやってもいいのでは」
例えば、毎日の食事や買い物にクーポンを利用したり、公共交通機関を利用する際は回数券を利用する、さらには家庭菜園で収穫した野菜を売るなど、ダウンサイジングのやり方は様々ある。こうした工夫を重ねていくなかで、“どうやってお金を引き出すか”も大切になってくる。
近年、現金よりもポイントのつくクレジットカードがお得、という情報が報じられることが多いが、必ずしも現金が悪いというわけではない。
むしろ重要なのは「月に一度、まとめておろす」と「必要に応じて小刻みにおろす」という2通りから、どちらを選ぶかだという。経済評論家の荻原博子氏が推奨しているのは「一度にまとめておろす」だ。
「月に一度、キャッシュカードでおろした金額だけで過不足なく生活する。それをやるためには、おろす際に使い道がかなり明確になっている必要があります。このおろし方を続けることで、資金管理がきちんとできるようになってきます。