ビジネス

自動運転技術の現在 2020年までにハンドル手離し走行は可能か

【レベル4】高速道路での完全自動運転

 レベル3がさらに進化したもので、運転手不在の無人運転も可能になる。ただし、レベル3同様、運転しやすい環境が整っていることが必須条件。高速道路の環境によっては、自動運転ができないエリアも出てくる。2025年が実施目標。なお、地域限定ながら、バスやタクシーといった無人自動運転移動サービスが、2020年までに実施開始予定だ。

 ちなみにレベル3以降、事故を起こした際の操作責任の所在が、運転者からシステム(車)へと移行する予定だという。つまり、車が何らかの原因で事故を起こした際、車メーカーは問答無用で責任を問われることになりかねない。保険請求の問題と併せ、まだまだ議論の余地がありそうだ。

【レベル5】完全自動運転

 道路や環境条件を選ばない自動運転が可能となり、一般道でも高速道路でも、運転を車に任せられるようになる。ただし、一般道には歩行者や自転車、バイクが加わる。交差点などでは、通信機能を駆使した車両の一括コントロールも必要になってくる。まずインフラを整備することが絶対条件となるが、現在の道路状況を考えると、一般道での完全自動運転はかなり先のことになると見られる。

レベルは5段階あり現在はレベル2~3あたり

 ここまで5つのレベルを解説してきたが、現在、国内メーカーの車に搭載されている自動運転機能は、レベル2とレベル3の中間あたりだ。つまり、多くの車が自動運転に対応可能な状況にある。

「システム、つまり車の機能だけで言えば、どのメーカーもずっと研究と検証を重ねていますし、完全自動運転車の開発自体はそんなに難しいことではないはずです。ただし、どんなに技術が進化しても、“絶対に事故を起こさない”車はあり得ませんが」と語るのは、モータージャーナリストの渡辺敏史さん。

「問題は、道路交通法による制約と、道路や通信ネットワークなどのインフラ整備。現在の日本は、完全自動運転車が円滑に走行できる環境が整っていないのです」(渡辺さん)

 道路交通法(以後「道交法」)第70条には、「運転者はハンドル、ブレーキ等を確実に操作し…」というくだりがあり、2020年をめどにレベル3を実現するには、道交法の改正が絶対条件になるだろう。

※女性セブン2018年8月16日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。