政府主導で実現に向けて動いている「自動運転」。東京五輪開催の2020年までに、高速道路での自動運転(ハンドルから手を離しての運転)を目指すという。技術的な問題はさておき、自動車メーカーならびにユーザーは、自動運転の未来についてどう考えているのか。
本誌は、主要国産自動車メーカーにアンケートを行った。「御社にとって、自動運転車の開発はおもに『誰のため』のものですか?」という質問に対して、以下の回答をいただいた。
「安心・安全な車と社会の実現により、すべての人がすべての地域で自由に移動し、心豊かに生活できる仕組みを創造し、築いていくことを目指しています。自動運転車・技術も、より広い範囲の人々にそうした状態を提供するために開発されるべきであると考えます」(マツダ)
「自動運転技術を通じて、すべての人に交通事故ゼロと自由な移動の喜びを提供することを目指して開発を続けています。(中略)交通を取り巻くさまざまな課題を自動運転によって解決し、誰もが、いつまでも自由に移動できる社会を実現していきたいと考えています」(ホンダ)
他社も総じて、「すべての人に移動の自由を」という答えだった。
自動運転になっても主役はあくまで“人間”
交通事故死傷者ゼロを目指し、1990年代から自動運転技術の研究開発に取り組み、「安全な移動をすべてのかたに」を掲げるトヨタは、たとえ運転操作ができない人でも、自動運転車が可能にする“安全で自由な移動”を評価する。