国務院常務会議は7月23日、積極財政政策を加速させる政策を発動、景気を下支えする方針を明らかにした。中国人民銀行は8月3日、為替フォワード取引業務に関する外貨リスク準備金を6日より、これまでの0%から20%へと引き上げると発表。人民元の急落を押しとどめる方針を明らかにしており、その後、人民元安は一旦止まっている。市場安定化資金の導入なども加え、当局の総合的な政策が株価の下落を抑えている。
また、10日の中国証券報、上海証券報、証券日報、証券時報など4大証券新聞は、示し合わせたように第一面で、そろって外資によるA株市場への流入について報じている。
中国証券報によれば、1~7月の海外関連の投資家(QFII、RQFII、滬港通、深港通を通じてA株を買う海外投資家など)による純買入金額は1696億1200万元に達している。
FTSEインターナショナル社は今後5年以内に中国A株を指数採用銘柄にするといった業務を完成させると表明している。中国証券監督管理委員会は、A株のラッセル国際指数入り、A株のMSCI指数におけるウエートの引き上げを支持するとしている。南開大学金融発展研究院の責任者である田利輝氏は、「A株のFTSEラッセル国際指数入りによって、資金流入が増え、国際レベルの証券会社がバリュー投資の分析を行い、それを市場全体に浸透させ、それが長い期間期待されている緩やかな上昇相場の伏線になるだろう」などと分析している。
外資流入期待で株価が持ちこたえていた部分も大きい。そうした状況でトルコショックが起きたことで、期待が縮み、株価は悪材料に押し戻されている。
ただし、下げ幅をみると、上海総合指数は他国主要市場と比べ、下落幅は小さい。前場は大きく下げたものの、後場から戻り歩調となっている。下値の堅さが目立ったといった見方もできる。