ヤフーは、仮想通貨交換業者(登録済)のビットアルゴ取引所東京にすでに資本参加している。ヤフーグループの持つサービス運営やセキュリティのノウハウを活かし、ビットアルゴ取引所東京の開設準備に取り組み、2018年秋にはサービスを開始する予定だという。
ネット証券国内1位のSBI証券を傘下に持つSBIホールディングスは、子会社のSBIバーチャル・カレンシーズで仮想通貨取引所「VCTRADE」の営業をスタートさせている。
仮想通貨業界の未来予想図は、そうした大手の新規参入組と、仮想通貨業界でダントツの首位を走り業界のガリバーといわれるbitFlyerや、マネックスグループの傘下となったコインチェックなどの既存の業者が熾烈な覇権争いを繰り広げる構図が想定される。
中でもカギを握るのは、SBIホールディングス社長で金融ビジネスのカリスマといわれる北尾吉孝氏が「圧倒的ナンバーワン」を目指すと豪語する、SBIグループの動向だと思われる。そして、6月にbitFlyerを含む大手仮想通貨交換業者に金融庁から行政処分が発表されたことも覇権争いに大きな影響を与えそうだ。
仮想通貨業界の競争の激化は悪いことではない。北尾氏やマネックスグループの松本大氏など、金融当局との折衝を何度も経験して金融ビジネスを熟知した経営者が率いる企業の参入は、個人投資家が安心・安全に取引できる環境の整備を促すはずで、業界にとっても利用者にとっても歓迎すべきことだろう。