マジックやジャグリング、バルーンなど老若男女問わず誰でも楽しめる道具を使ったステージショーを行う芸人たち。芸風がわかりやすいため、名前が売れていなくても、漫才やコントと比べて活躍の場は多いという。しかし、道具の用意や技術の習得など、ランニングコストがかかりそうな気もする。
ところが、「授業料も道具代もタダで技術を身に着けました」と話すのは一輪車パフォーマーのベン山形(43)。34歳のときにお笑いタレントの村上ショージに弟子入りし、芸人の世界に飛び込んだ。村上ショージと言えば「ボンジュール、マドマジェール、かきマジェール」や「ウエルカム、腕噛む、どこ噛むねん」などのギャグで知られ、一輪車のイメージは全くないが……。
「僕はしゃべりが全くダメなので、師匠から『特技を身につけたほうがいい』とアドバイスを受けました。そこで選んだのが一輪車でした。
今では一輪車の基本であるスピン、アイドリング、バック、ジャンプなどの技をしながら、人を台車に乗せて引っ張ったり、糸を頭につけてタコを飛ばしたり、トイレのラバーカップをつけて引っ張ってもらい、遠心力でぐるぐる回るなどのパフォーマンスをしています」(ベン「」以下同)
相当な練習量が必要なことにくわえ、レッスンかかる費用も高くつきそうだが、ベンはなんと、プロの先生から0円で授業を受け、技術を身に着けたという。
「一輪車をやろうと決めて、すぐに一輪車協会に電話をかけました。ボランティアで教えてくれるという人を紹介してもらい、週に1回、2~3時間のレッスンを4か月間受けました」