駅前の大規模商業施設にあらゆる店舗が揃い、衣・食・住・遊のアイテムが1つのビルで賄える街が便利なのは分かる。しかし、八百屋、魚屋、クリーニング屋、米屋、ふとん屋、豆腐屋など、きらびやかではないが、日常生活に必要なものが揃う商店街がある街は、一度住むと離れがたいものだ。居心地の良い商店街がある街はどこにあるのか? ライターの金子則男氏が、首都圏屈指の人気路線「東急田園都市線」の商店街がある街を紹介する。
【三軒茶屋(世田谷区)】
若者を中心に「住みたい街」として人気の高い三軒茶屋は、商店街が充実した街です。駅前の「エコー仲見世」と、国道246号と世田谷通りに挟まれた三角ゾーンは、道に迷う事必至のカオス地帯ですし、飲食店、書店、美容院など、さまざまな店が立ち並ぶ栄通り商店街は、いつも多くの人で賑わっています。商店街をぶらついていると、あっと驚くビッグネームの芸能人がふらりと散歩していることも。三茶の魅力はキャロットタワーだけではありません。
【桜新町(世田谷区)】
ある意味、“日本の商店街の1つの典型”と言っても良いのが、桜新町の商店街です。何しろこの街の商店街があるのは「サザエさん通り」。『サザエさん』の作者・長谷川町子さんが生前この街に住んでおり、桜新町駅と長谷川町子美術館を結ぶ通りが「サザエさん通り」と名付けられました。通りに沿って、飲食店、不動産屋、洋服屋、美容院など、個人商店が立ち並んでおり、サザエさんのキャラクターの銅像やイラストなどもあるので、それらを眺めながら歩くと楽しめそうです。
【用賀(世田谷区)】
田園都市線の地下ホームから地上に上がると、28階建ての巨大オフィスビル(世田谷ビジネススクエア)がそびえる用賀ですが、“足元”には落ち着いた商店街が広がっています。駅周辺にはスーパー、美容院、薬屋などがバランス良く配置されており、人気路線の人気タウンだけあって、そのラインナップはどことなく上品でスタイリッシュ。飲食店も充実しており、ヨソの街まで足を運ばなくとも美味を堪能できるのも、人気を支えている一因でしょう。