投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月13日~8月17日の動きを振り返りつつ、8月20日~8月24日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週連続のマイナスとなった。週初は通貨トルコリラの急落を受けてトルコ経済の混乱懸念が高まるなか、日経平均は前営業日比440.65円安と4営業日連続安となり、7月11日以来の22000円割れと波乱の幕開けとなった。翌14日は、トルコ中銀が市中銀行を支える流動性強化などの措置を発表したことでトルコ通貨危機への懸念が一服して、日経平均は前営業日比498.65円高と急反発し、前日の下げ幅を取り戻す展開となった。15日は「中国がゲーム販売の認可を凍結」と伝わり任天堂<7974>などゲーム株が売られて地合いが悪化、加えて上海総合指数が2%を超える下げを見たことから日経平均も反落した。
16日もトルコ政府による一部米国製品への関税引き上げ表明、4-6月期が13年ぶりの減益となった中国ネット企業大手テンセントの決算などを嫌気する悪材料が嫌気された。一方で、中国商務次官が8月下旬に訪米し、米財務次官と協議すると明らかになった好材料が交錯するなか、買いが続かず日経平均は続落となった。ただ16日のNYダウが、米中貿易協議が再開されるとの期待から急反発したことを受けて、17日の日経平均も3日ぶりに反発した。しかし、上海総合指数が軟調に推移したことから、寄り付き後は伸び足を欠く展開となった。
今週の日経平均は、引き続きこう着感が強い展開が予想されるが、上値を試す場面も期待される。心理的な節目として働く22000円割れからすかさず切り返したことで短期的には自律反発が継続する流れの中にある。一方、日足チャートでは22400円近辺を走る200日移動平均線が上値抵抗として意識され、この水準に迫る場面では売りが出やすい。今後に不透明感をなお残すものの、トルコリラ・ショックによる日経平均の下落幅を短期で取り戻した心理的効果は大きく、売り込みにくさが再認識されるところでもある。